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【パリの窓】67人の名前 2021.4.8 |国際|中国・台湾 外信コラム[産経新聞]より転載
https://www.sankei.com/world/news/210408/wor2104080008-n1.html
人権侵害の被害者の取材では、注意を要する。迫害の恐怖を伝えようとして、時に誇張が交じるからだ。
「仲間がこんな目にあった」と言うので、その状況を尋ねると、人づてに聞いた話だったりする。慎重に、本人の体験か否かを確認せねばならない。
1990年代の旧ユーゴスラビア紛争、パレスチナ占領地の難民取材で学んだ。
先月取材したウイグル人、ギュルバハル・ジャリロバさんの証言は、実体験だけが放つ力があった。
中国語が話せないのに、収容所でたたき込まれた中国共産党の礼賛歌を歌ってみせた。
腰をかがめて「毎日、こうやって歩いていたの」と言い、足錠の重みを体で再現した。
最後に「みんなの無念を晴らしたい」と言って、67人の名前を書いたノートを広げた。一緒に収容されていた女性たちだ。
1人釈放された後、中国当局の報復を恐れ、収容所の体験を長く家族にも話せなかった。自室に籠り、ひたすら名前を書き留めた。
私語厳禁の所内で、短い挨拶(あいさつ)を交わした仲間たち。彼女たちを闇に葬らせてなるものか。そんな執念がにじみ出た。
中国政府はウイグル弾圧を否定する。ではなぜ、ジャリロバさんに弁護人を付けなかったのか。
なぜ、重い鎖につないだのか。何より、67人がその後、どうなったのかを明らかにしてほしい。
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●【在日ウイグル人が明かす ウイグル・ジェノサイド ―東トルキスタンの真実】 ムカイダイス 著 2021/3/26 単行本 ¥1,540
●「命がけの証言」 清水 ともみ(漫画家)WAC 2021/1/24 ¥1,320 (5つ星のうち4.9評価)
ウイグル人たちの真実に目を背けないでください。
習近平。中国による「強制収容所」の恐怖、文化的ジェノサイド、臓器狩り、中絶の共票
描き下ろし漫画・楊海英氏(静岡大学教授)との告発対談収録
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●【ジェノサイド】Wikipedia
国家あるいは民族・人種集団を計画的に破壊すること。ジェノサイド条約第2条によれば、国民的、人種的、民族的、宗教的な集団の全部または一部を
破壊する意図をもって行われる行為のこと。集団殺害。
1.集団構成員を殺すこと
2.集団構成員に対して、重大な肉体的又は精神的な危害を加えること (拷問、強姦、薬物その他重大な身体や精神への侵害を含む)
3.集団に対して故意に、全部又は一部に肉体の破壊をもたらすために意図された生活条件を課すること (医療を含む生存手段や物資に対する
簒奪・制限を含み、強制収容・移住・隔離などをその手段とした場合も含む)
4.集団内における出生を防止することを意図する措置を課すること (結婚・出産・妊娠などの生殖の強制的な制限を含み、
強制収容・移住・隔離などをその手段とした場合も含む)
5.集団の児童を、他の集団に強制的に移すこと (強制のためのあらゆる手段を含む)
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